何度でも何度でも僕は生まれ変わって行ける
出典: 蘇生/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
この歌詞に勇気づけられた方は多いのではないでしょうか。
そんな素敵な歌詞がある一方で
・『アジアの極東で僕がかけられた魔法』ってなに?
・『叶いもしない夢』・・・?
・アメリカ同時多発テロ(9.11)が影響してるの?
など、聞き込んでいくと難解な歌詞もチラホラ・・・
そこで今回は、ボーカルの桜井和寿さん(以下、桜井さん)の発言をベースに、蘇生の制作背景や、筆者の独自視点も交えながら歌詞の意味を考察していこうと思います。
記事を読み終えるころには今よりもっと「蘇生」が好きになってるハズ・・・!?
では、いきましょう^^
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蘇生とは
2002年リリースされたアルバムIT’S A WONDERFUL WORLDに収録されているアルバム曲です。
アルバム曲ながらシングル並みの人気があり、テレビCMで起用されたり(WONDA、花王アタック)、プロ野球選手の登場曲で使用されたり(東北楽天ゴールデンイーグルスの銀次選手)
また2017年に行われた25周年ライブでは、ライブの盛り上がりが最高潮に達するアンコール曲として登場。本ライブの一番最後の曲は「終わりなき旅」だったのですが
蘇生⇒終わりなき旅
は、ミスチルの変遷をウォッチしてきた者として心にグッとくるものがありました^^
現在YouTubeでも視聴可能ですので、まだご覧になっていない方は是非!
※動画は蘇生からスタートします。
結論:蘇生の意味
桜井さんは蘇生を通じて
どんな状況でも発想を転換してポジティブに捉えることの重要性
を実体験を踏まえて伝えたかったのではと思います。
それは桜井さんが蘇生ができた背景や、制作過程について語るとき、このような話をしているからです。
(リチャードギアがインタビューされている番組を観てて)
リチャードギアは『毎日朝起きると新しい自分に生まれ変わるんだ』というような宗教やってるらしく。それを聞いた時に、都合がいい話だなって聞こえるかもしれないけれど、ネガティブなとき発想を転換してポジティブになれるっていう事は素晴らしい事だなと。
2002年5月 ミュージック・カクテルでの発言より
夢っていうものは、それが叶った瞬間にもう夢じゃなくなるっていう。
普通の、当たり前のものになっていくと思う。
そういう意味では、僕らもプロとして音楽をやっていくということはかつては夢だったかもしれないけれど今ではすごく当たり前のことだし…
2002年5月 スペースシャワーTVでの発言より
1つ目の発言は、サビの『何度でも何度でも僕は生まれ変わって行ける』という歌詞に影響を与えてそうですね。
2つ目の発言は、夢について歌われている1Aメロ~1Bメロ
『二車線の国道の~~~その姿消すんだ』に影響してると考えられそうです。
大まかな歌詞の意味を理解したところ、ここからは具体的に歌詞を考察していきましょう^^
1Aメロ~1Bメロ
二車線の国道をまたぐように架かる虹を
自分のものにしようとして
カメラ向けた光っていて大きくて
透けてる三色の虹に
ピントが上手く合わずに
やがて虹はきえた胸を揺さぶる憧れや理想は
やっと手にした瞬間に その姿消すんだ出典: 蘇生/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
歌詞全体の流れから『虹』と表現される部分は「夢」という解釈でほぼ間違いなさそうです。
『ピントが上手く合わずに やがて虹はきえた』という部分の解釈は、虹が時間の経過とともに自然消
滅したようにも考えられますが、直後の歌詞『胸を揺さぶる~~~その姿消すんだ』の比喩の場合虹と自分との距離が縮まり、終には虹を通り過ぎてしまった様子を描いているのではないかと思います。
▼虹から離れている(ピントが合う)
▼虹が近い(ピントが合わない)
▼虹が消える(虹を通過する)
※逆に分かりにくくしてしまったらすみません・・・
音楽で成功するという夢を達成したMr.Children。
その後、目指すところを失ってしまった当時の桜井さんの空しさがこのパートで表現されているのかもしれませんね。
(余談ですが、桜井さんは2000年リリースのアルバムQの頃、本気でMr.Childrenの解散を考えてました)
1サビ
でも何度でも 何度でも
僕は生まれ変わって行く
そしていつか君と見た夢の続きを
暗闇から僕を呼ぶ
明日の声に耳を澄ませる
そうだ心に架けた虹がある出典: 蘇生/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
2番のサビを踏まえると、ここで登場する『暗闇』は「過去」を意味しており、『暗闇から僕を呼ぶ 明日の声に耳を澄ませる』は心の葛藤を描いているのだと思います。
過去の自分が「諦めろ」と呼ぶ。でも、その声には耳を傾けず明日(夢)を見る。
そんなやりとりが浮かんできます。
2Aメロ~2Bメロ
カーテンが風を受け
大きくたなびいている
そこに見え隠れしている
テレビに目をやるアジアの極東で
僕がかけられていた魔法は
誰かが見破ってしまった
トリックに解け出した出典: 蘇生/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
1番は夢についてでしたが、2Aメロ~2Bメロは違います。
このパートでは、社会に失望し自分の進むべき方向を見失いながらも、前に進もうとしている姿を描いていると思います。
Mr.Childrenのプロデューサーである小林武史さん(作曲当時)は、蘇生を含めIT’S A WONDERFUL WORLDに収録されている曲は、当時起こったアメリカ同時多発テロ(9.11)の影響を受けていると語っています。
(IT’S A WONDERFUL WORLDのリリースが)去年ニューヨークでのテロのような起こった後ということもありますし、(楽曲の変化は)自然な変化として受け取ってますけどね。
2002年5月 ミュージック・カクテルでの発言より
『アジアの極東で 僕がかけられていた魔法』の魔法は、作曲当時の日本の常識だと思います。
当時はアメリカ同時多発テロ以外にも、日本では狂牛病事件(BSE問題)が起こりました。
国産のお肉は安心だよね?
アメリカが攻撃されてるけど、アメリカって良い国じゃないの?など
これまで常識とされていたことが覆りました。
一体何が正しいのか。何を信じて生きていけばよいのか。
そしてこの状況でどんな夢を描けばよいのか。
君は誰だ? そして僕は何処?
誰も知らない景色を探す
旅へと出ようか出典: 蘇生/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
その答えを見つけるべく、曲中の主人公は旅に出ることを決意したのだと思います。
2サビ
そう何度でも 何度でも
君は生まれ変わって行ける
そしていつか捨ててきた夢の続きを
ノートには 消し去れはしない昨日が
ページを汚してても
まだ描き続けたい未来がある出典: 蘇生/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
全体の流れから『いつか捨ててきた夢』は、1番のサビに登場した『心に架けた虹』と同じものを指していると考えられますが一体なんでしょうか?
筆者の大胆予想になりますが、IT’S A WONDERFUL WORLDのテレビCMの内容を踏まえると、捨ててきた夢とは子供の頃に思い描いた夢(≒本当に叶えたいこと)を指しているのではないかと思います。
CMの内容は子供2人、おじさん2人が楽しく砂場遊びしているというものです。
登場する子供2人の未来がおじさん2人だとした場合
おじさんが子供の頃に夢中になった砂遊びをしている光景は
大人になって子供の頃の夢を追いかけているとも言えそうです。
社会に出ると「年収〇万円ほしい」「お医者さんと結婚したい」など、お金に関する夢が多くなる気がしますが、子供のころに描いた夢はお金に関するものだったでしょうか?
何が正しいか分からない時代だからこそ、自分が本当にやりたいと思うことをやるべきなのではないか。
このパートにはこのようなメッセージがあるのかもしれません。
※CMでおじさん2人が砂で国会議事堂を作っていることにも何か意味がありそうですがちょっとわからなかったです・・・^^;
3Cメロ~3サビ
叶いもしない夢を見るのは
もう止めにすることにしたんだから
今度はこのさえない現実を
夢みたいに塗り替えればいいさ
そう思ってんだ
変えていくんだ
きっと出来るんだそう何度でも 何度でも
僕は生まれ変わって行ける
そしていつか捨ててきた夢の続きを
暗闇から僕を呼ぶ
明日の声に耳を澄ませる
今も心に虹があるんだ
何度でも 何度でも
僕は生まれ変わって行ける
そうだ まだやりかけの未来がある出典: 蘇生/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
弱気になりそうな自分に対して『変えていくんだ きっと出来るんだ』と言い聞かせているようにも見えますね。
『叶いもしない夢』は、当時の常識を前提とした夢と言えそうですね。前提条件が変われば叶わないですからね。
サビの歌詞はほとんどは1,2サビと同じですが『今も心に虹があるんだ』『そうだ まだやりかけの未来がある』は3Cサビでしか登場しないフレーズですね。
1番2番では夢が見つからず迷っているようにも見えましたが、『今も心に虹があるんだ』というように3番で夢を見つけたことを表していると思います。
『そうだ まだやりかけの未来がある』は、『そうだ』という言葉は思い出したり思いついたりした時に使う言葉なので、夢を見つけたことで目の前がパッと明るくなった(蘇生した)様子を表現しているのではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本当の意味は桜井さんしか分かりませんが、桜井さんの発言や作曲当時のことなどを踏まえるとこういった風にも読み取れるような気がします。
ミスチルの曲は、蘇生のような1歩前に踏み出す勇気をくれる曲が多くてホント素敵ですね。(しみじみ)
ちなみに、少しマニアックな話になりますが、蘇生のメロディだけを聴くとまた違った楽しみ方ができます。
特にサビの「何度でも何度でも僕は生まれ変わって行ける」のメロディは最高で、当時のプロデューサーである小林さんのセンスに脱帽です。
こちらもYouTubeで視聴可能ですのでよろしければ是非^^
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